ニトロです。
2021年7月にリリースされた中華エミュレータの中では注目度が高いと思われる「ANBERNIC RG300」をようやく入手しました。
本デバイスはRG350・280シリーズと同じ OpenDingux が動作する JZ4770 の派生モデル、性能はRG350と同一ではあるものの、解像度はVGA、ステレオスピーカー内蔵などの味付けがされております。
特に目を惹くのは、ゲームボーイミクロのようなデザイン・・・ RG300Xは果たして買うべき機種なのか? ニトロ視点でレビューいたします。
レビューサンプルをご提供していただいたのは Banggood さん、購入を検討されている方は 専用ページにてお得なクーポン が配布されているかご確認の上でご購入をお薦めいたします。
YouTubeで動画公開しました
質感はこちらの動画をご確認ください。
外箱と付属品
パッケージ
ANBERNIC RG300 のパッケージですが、従来機に比べて印刷など少し手が込んでいて豪華になっておりました。マリオ?のコスプレしたおっさんがバカでかいRG300Xで遊んでいるイラストが描かれています。
従来の真っ白な箱に製品名が印刷されているだけよりテンションが上がるので良い改善だと思いますが、まぁ、箱のクオリティーはこのカテゴリー独特のチープさを感じますw
添付品
付属品は、RG300X 本体に、取扱説明書、充電用の短いUSB-Cケーブルのみのシンプル構成です。
シンプルな構成
取扱説明書は、表裏に英語と中国語表記のみで残念ながら日本語表記はありませんが、記載内容は意外と細かいので英語で解読が可能ならば十分に親切な内容ではないかと思います。
初心者の方にはハードルは高いかもしれませんが、ニトロブログの RG350系記事 を読んで弄っていれば理解はできるでしょう。
むしろ僕自身が OpenDingux の操作が久しぶりだったので悩んだりしましたw
スペック
前述の通り、性能はRG350・280と同一なので、エミュレーションの性能に差はないと思いますが、スクリーンサイズ、解像度などに差異があります。
OS | OpenDingux |
---|---|
スクリーン | 3 inchIPS(4:3) |
解像度 | 640X480 |
CPU | Ingenic JZ4770 |
Clock Speed | 1.0 GHz |
GPU | Vivante GC860 |
RAM | 512 MB DDR2 |
ストレージ | Dual External MicroSD |
バッテリー | 2500 mAh |
WI-FI | なし |
ボタン(基本) | 十字キー・ABXY・L1, R1, L2, R2 |
ボタン(EXT) | Power, Reset, Volume +- |
スピーカー | モノラル,3.5mm Headphone |
ポート | USB-C x2 Mini HDMI |
サイズ | 137 mm x 69 mm x 20 mm |
重量 | 154 g |
RG300X特徴
RG300X 最大の特徴は、IPS 3.0インチ液晶に解像度640X480を採用してること。RG350シリーズで過去にVGA解像度を採用したのは、メタルシェルを採用したプレミアムモデル RG350M のみでした。
VGA解像度により、メニューやゲームの表示がクリアー、一部のゲームで潰れてしまって読めなかった表示も正確に再現されるため、この点は本機の相当なメリットになっています。
また、ステレオスピーカーを内蔵しているため、モノラルに比べ臨場感のあるサウンド再生が可能であること、さらに Mini HDMI ポートを搭載しているので大画面のモニターへの出力が可能となっています。
まぁ、音が良いかと言われると微妙ですし、モニター出力もかなりニッチなニーズとは思いますが・・・
デザインとビルド品質
RG300X のデザインは良く言えばゲームボーイミクロのオマージュ、悪く言えばパクリといった感じ、サイズ感はまったく異なるが見た目の印象は良い。
見た目からオリジナルと異なるのはステレオスピーカーとボタンの数 バックパネルは厚めのクリアー塗装で質感を感じる
写真が下手くそなので申し訳ないが、バックパネルは高級感のある臙脂色で厚めのクリアー処理がされているのか、キラキラしていて相当に質感を感じる出来だ。
本体上部は USB-C✕2ポートに、Mini HDMI ポート のインターフェイス、ショルダーボタンは、L2/R2が少し高さがあり、指で触ってボタン種類が判断ができるようになっている。
左右対称デザイン、ショルダーボタンは若干質感が悪い START・SELECTはくぼみに配置しLEDで光る
本体下部にはOS用とデータ用のSDカードスロット✕2、右側に 3.5mm イヤフォンジャック、左側にリセットボタンが配置されている。本体上部・下部、明らかに左右対称になるようデザインされている。
本体の側面には、右側に電源ボタン、左側に音量ボタンが配置されていて、操作性の点で誤作動しづらい理想的な配置ではないかと思う。
右側には電源ボタン 左側には音量ボタン
パクリだと悪口を言ったが、目で見て感じる質感、左右対称のデザイン、操作性の配慮など、なんだかんだ ANBERNIC の製品は考えて開発しているのが分かります、ビルドクオリティーは相当レベルが高い。
あえて難点をあげると・・・ ツルツルのバックパネルは指紋が目立つ、傷が付きやすそうなこと、あと、フェースを止める6本のネジがイマイチ・・・ FCコントローラーカラーの場合は特に目立つ。
とは言え、正直、あまり期待していなかったが質感は相当良い事をお伝えしたい。
操作ボタン
ABXYボタンの押し心地は軽くて操作しやすいが、 RG350 や RG351 に比べ、各ボタンの隙間が空いているのが RG300X の特徴となっている。個人的には感覚が狭いデバイスに慣れているので違和感を感じた。
十字キーはまったく問題ない、ゲーム操作がしやすい。安定の ANBERNIC 品質である。
ショルダーボタンも ANBERNIC 製品らしい、押すとカチカチとクリック音が出るタイプのスイッチ、L2・R2ボタンはL1・R1の本体内側に配置されているが、少し高さがあるので指で触った感覚で認識できるので操作性良好だ。
液晶について
640✕480の解像度により、起動時のロゴ、起動後のメニュー表示、ゲーム画面の繊細さ、すべて高品質です。発色も良く文句の付け所はない。
また、最近発売されるデバイスで標準になってきている ディスプレイとカバーガラスの間にあった隙間を無くすことで、光の余分な反射が抑えられるフルラミネーションディスプレイを搭載している事により、画面が浮き出ているような錯覚になります。
美しいです・・・
サイズの比較と価格について
サイズ感
RG300X の本体サイズが伝わりやすいように、主要なデバイスと一緒に撮影してみました。
デザインがゲームボーイミクロのため、マイクロゲーム機と勘違いしている方も多いかもしれませんが、本体のサイズは割と大きめです。
しかし、最近発売された RG351V や RGB10MAX に比べれば小型のデバイスです。ちなみにこの撮影をした後に、初代の RGB10 と比較したところ、かなり近いサイズでした。
価格について
海外のEC Banggood では本日現在 9,714円、国内のamazonでは 11,000円 程度で販売されております。
性能的には旧世代と言わざるお得ないので、約1万円というのは少し割高感があるかもしれませんが、半導体の高騰により全体的に価格が高くなっているので仕方がないかもしれませんね。
まとめと評価
ANBERNIC RG300 についてレビューしましたが、今回はエミュレーション性能に関する検証は割愛しました。
総合的に良デバイスではあると思いますが、性能的に目新しさがなく、すでに同スペックのデバイスを持っているならあえて購入する必要はないかもしれません。ただコレクター的なニーズがあるなら購入しても良い製品と言えるでしょう。
最後に、プリインストールされているファームウェアですが、輝度調整がショートカットで動作しなかったり、スリープの復帰で画面が暗くなるなどの不具合が起きました。今後いろいろ検証してみます。
いずれにしても、今後ROGUEなどカスタムファームウェアが出てくれば、楽しめる一台にはなりそうです。
総合的に評価は悪くはないんだけど、辛めの評価
星3.5です。
ユーザー投稿
RG351P以来、久々に食指が動きました。解像度640×480で軽量・小サイズなのが個人的に刺さりました。これはかなり売れるかもしれません。デザインが気になりますが・・・。
個人的には良機だと思いますよ!デザインも質感も悪くないです。パクリデザインですけどねwww