ニトロです。
先日発売された RockChip RK3566 を搭載したハンドヘルドゲーム機、ANBERNIC RG353V をレビューします。
すでに販売されている RK3566 搭載機種は、RG503 と RG353P の2機種があり、どちらもオーソドックスな横型デザインでしたが、RG353Vはゲームボーイのような縦型で注目していたファンも多いようです。
今回は発信速度を優先して、数時間の確認後に執筆した、「ファーストインプレッション・レビュー」となっております。
YouTube レビュー
NitRo Vlog に初回のレビュー動画を投稿しましたので、あわせてご視聴ください。
ANBERNIC 公式ストア
ANBERNIC 公式ストアは、各種決済方法、日本語のサポートにも対応します。またファームウェアのアップデートをいち早く連絡が貰えるなどのメリットがありますのでお勧めです。
RG353V・VS 概要
特徴
RG353Vは ANBERNIC 3機種目となる Rockchip RK3566 を搭載した ハンドヘルドゲーム機で、ゲームボーイ風の縦型デザインに左右のアナログスティックを配置、レトロゲームに最適な3.5インチ(VGA解像度)を搭載、デュアルTFスロット、第5世代 Wi-Fi 対応、Bluetooth 4.2に対応しています。
昨年末にリリースされて大人気となった、Miyoo Mini に似ていますが、RG353Vは、少し大きな筐体、より性能の良いチップセットを搭載しており、アナログスティックがあることで多くのゲームタイトルに対応できることが魅力です。
353V ・ 353VS の2ラインナップ
RG353Vの他に、Linux 起動専用モデルとなる「353VS」というモデルが存在します。
デザインやチップセットなどは同一ですが、VSは搭載するメモリーが1GBと少なく、内蔵ストレージを排除するなど、Android が起動しない代わりに、お財布に優しい低価格に振ったモデルとなっています。
スペック
スペックは以下の通り、黄色文字が「353V」と「353VS」の差異となっています。搭載メモリーに目がいきますが・・・ レトロゲームのエミュレーションには大きな影響が無いと考えられ、ほぼ同一性能機種であると言えます。
デザインや寸法などを除き、先にリリースされた353Pとスペックはほぼ一緒、しかしバッテリー容量が 300mAh 少なく、内蔵スピーカーがモノラルとなっている点は353Pに劣るポイントとなります。
サイズ・重量
個人的にお気に入り、ユーザーにも好評だった「RG351V」よりも小型、しかし Miyoo Mini ほど小さくなくゲームプレイと携帯性を兼ね備えており、ジャストサイズと言えるでしょう。
サイズ | 126mm × 83mm × 21mm |
重量 | 180g |
ファーストインプレッション
入手したのは、Android ・ Linux デュアルブート可能な「RG353V」、本体カラーは4色あり、どれも魅力的だが・・・ 僕は無難に半透明の黒を選択してみた。
白にすれば良かったかな?笑
外箱はシンプルな白箱
RG353V の外箱は、いつものANBERNIC製品の無機質な白箱に戻っていた・・・ まぁ、こだわる必要もないけど・・・ 味気ないと言えば味気ないのである。
付属品はシンプル
付属品は、スクリーン保護用「ガラスフィルム」と「充電用USB-Cケーブル」そして英語・中国で記載された「ユーザーガイド」のみ、最近の機種はだいたいこの構成ですね。
ユーザーマニュアルは英語と中国語が裏表で記載されている従来どおりのマニュアル、使い方は細かく記載されていますので、購入したら事前にしっかり確認しておきましょう。
GBデザイン
RG353V は以下画像の4色カラーバリエーション、RG353VSはグレーと黒の2色のみとなっている、僕は無難にスケルトン黒を選択したが・・・ 今回はちょっと悩んだね・・・ 白が可愛いと思うが、本当は紫のスケルトンにした方がレビュー映えしたかもね。
本体のデザインは、いわゆるゲームボーイ風の縦型、アナログスティックは本体下部に配置されているが、上配置が良いのか、下が良いのか、左右上下逆が良いのか??? 諸説あるとは思うが・・・ おそらく正解はない。
中央上部にファンクションスイッチ、中央にSTART・SELECTボタン、下部にはスピーカーが配置されれていて、レイアウトも見た目も悪くはないと思う。
背面のちょい上にショルダー L・R ボタンが4つ配置されていて、操作性については後述するが、位置もデザインも良い感じで収まりは良いのではないかと思う。
質感は良好です
操作ボタンの押し心地、クリック感・感触はANBERNIC製品らしい少し硬めかな、本体はプラスチックシェルで上質とまでは言わないが、不満に感じる事がない良質な質感と言えます。
ANBERNIC 製品はスクリーンの黒縁が目立ち、下部に大きなロゴがあって見栄えが悪い製品が多いんだけど、本機はそのあたりの野暮ったさが無くまとまっているのが好印象である。
搭載ポートとレイアウト
本体右側の上部に電源スイッチとリセットスイッチがあり、下部にデュアルSDカードスロットが配置される、左側には音量調整ボタンがある、誤操作も起きづらい配置である。
本体上部は、右からUSB-C OTGポート、mini HDMIポート、イヤホンジャック、下部に充電用 USB-Cポート、レイアウトも綺麗だし使い勝手も悪くなさそう。
あえて不満を言うとすれば、イヤホンジャックは本体下部にある方がゲーム時にコードが邪魔にならないとは思うが、個人的には有線のイヤホン使わないから気にならないですけどね。
レトロゲームに最適なアスペクト比率
スクリーンは、IPS 3.5 インチ、解像度は640×480、アスペクト比は 4:3 RG353Vはマルチタッチ(Android 時)対応しているが、RG353VS はタッチに非対応である。
多くのレトロゲームプレイに最適であり、密着型のフルラミネーション仕様なので、画面は浮き出るような表示、発色、視野角、輝度、多くの人に不満は感じない、安価な製品でも妥協なしって感じである。
ただし、16:9 に最適化されたゲーム(PSPやAndroidアプリ)の場合は、表示が縮小したり横表示が圧縮されるなどの問題はある。
まぁ、レトロゲームに最適化された機種だからねぇ・・・
内蔵スピーカーはまぁまぁ
フェース中央下部にモノラルスピーカーが配置されていて、音量は十分すぎるほど大きい音が出るので、レトロゲームのプレイであれば不満に感じる事はないけど・・・ 最近の Android ゲームで遊ぶのであれば、ちょっと音質は気になるかもしれませんね。
独自機能や使用感について
まだ入手して間もないので、詳細な確認はこれからになるが・・・ RG353V 独自機能や操作性、他機種比較など、現時点で確認できたことを記載しておく。
他機種との比較・サイズ感
手持ちの機種との比較画像は以下の通り、Miyoo Mini よりは大きく、RG351V よりは小型である。
上は 353P / 下は 300X
Miyoo Mini はゲームプレイするには画面も本体も小さすぎるし、RG351V は遊びやすいけど大きいので携帯性が悪かった・・・ RG353Vはサイズ的にはジャストサイズであると評価したい。
僕は Powkiddy RGB20S を所有していないので比較できないが、同機種とサイズ・デザインがかなり似ている、後発となる RG353V のデザインは若干コピーに感じてしまうのも事実である。
ホールド性・操作性について
小型なので窮屈でホールド性が良いとは言えないが、縦型デザインである事とサイズを考慮すれば、携帯性と遊びやすさの妥協点ではないかと思う。
フェース部にある操作ボタンは、押し心地・クリック感が ANBERNIC 製品らしく、硬すぎず柔らか過ぎずで操作がしやすく不満ではないが、やっぱりアナログスティックの位置が気になる。
右側のABXYボタン操作時に、親指がスティックを覆う感じになるので、多少なりとも操作に影響がある・・・ とはいえ、アナログスティックをABXYボタンの上部に配置する方が良いかと言われると、それも違う気がしてしまう・・・
背面のショルダー4ボタンは、押し心地もクリック感も良好だけど、被せて本体を持ちながら、2つのボタンを2本指で操作するのは難易度が高い・・・ ちなみに「カチカチ」音はしないです、これは良改善ですかね。
操作性を求めるのであれば、Bluetooth 接続して外部コントローラー使用するのが現実的かもしれません。
性能はレトロエミュレーター特化
搭載されるSoCは Rockchip RK3566 、昨年まで多くの機種が採用していた RK3326 に比べれば少しだけ性能は高い、このチップだからデュアルOS対応が可能なようです。
発揮する性能は、ドリームキャスト・PSPのゲームタイトルであれば、大概はストレスなく動作、セガサターンも概ね動作するので、このあたりのゲームコンソールをエミュレーションしたいのであれば不満はなさそう。
Android アプリは軽めのゲームなら問題ないけど・・・ 原神のような重たい3Dグラフィックを駆使するタイトルは厳しいでしょうね。とは言え、レトロゲームコンソール・エミュレーターというカテゴリーの中では優秀な性能と言えます。
有線ゲームパッド機能
本体下部の充電用 USB-C にPCなどをケーブルで繋いで、RG353Vをゲームコントローラーとして利用できるらしい、しかしRG353V は操作性の良いゲームコントローラーと言えないので微妙ですが・・・ とは言え、おまけ機能としては面白いし、出先でノートパソコンのコントローラーにするみたいな使い方ができるかな。
今後標準で搭載されるのであれば、操作性の良い機種であれば有用な機能になるかもしれませんね。
※ この機能試そうと思ったんだけど、うまく動作しなかったので後日再検証します。
Android フロントエンド
TF1のLinuxシステムディスクを抜くか、ファンクションキーを押しながら電源ボタンを長押しする事でAndroid が起動。
残念ながら Google Play はインストールされていませんが、エミュレーターやゲームの選択などが直感的に選択・操作ができるフロントエンドアプリが標準でインストールされています。
Android 起動に対するメリットを個人的にあまり感じていないし、圧倒的に検証不足なので、引き続き確認作業をおこなう予定です。
JELOSに対応
パフォーマンスを最大限に発揮するには、カスタムファームウェア導入は最善の方法です、JELOS は次期バージョンでRG353Vに正式対応するようです。
RG353P ベースのJELOSで、システム設定から353Vのオプションが選択できるようになるようですから、リリースされたら導入は必須ですね。
まとめ
手元に届いてから数時間しか弄っていない状態ですが、気に入った点と、これはイマイチだなって感じた事をまとめました。
RG353V・RG353VS は買うべき?
Miyoo Mini は買いたくても買えない状態が続いていますよね? RG353V・RG353VS は Miyoo Mini の代替えにと考えているなら悪くはない選択かもしれません、ただしMiyoo Mini よりもサイズはかなり大きいです、しかし性能も操作性も良いですよ。
また、RK3326 機種のステップアップにも良い選択になりそうですが、ゲームプレイに最適な機種とは言えないので、横型モデル(RG353Pなど)も含めて機種選択は慎重に考えましょうって感じです。
レトロゲームのエミュレーターをGAMEBOY風筐体で楽しみたいのであれば、現状では最良の選択ではないかと思います。
ならば、VとVS、どちらが良いのか? 個人的には RG353VS で良い気がしますが・・・ Android も試してみたい欲求が少しでもあるなら RG353V にしておきましょう、後で後悔するよりは良いです。
評価は・・・
ハッキリ言って、入手前に想定していたよりもだいぶ好感触です、高評価にしたい気持ちはありますが・・・ ゲームプレイにあまり適さない縦型デザイン、他機種に似ている後出し感もある、良くも悪くも新鮮さにかけてしまうのはマイナスポイントです。
ライバル機種に比べ性能が一枚上手なのが本機のメリットとは言え、少し辛めの星3.5としておきます、あくまでも数時間いじった程度のファーストレビューなので、後から変えるかもしれませんけど。笑
ANBERNIC 公式ストア
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