ニトロです。
今回は、ANBERNIC の GBA互換機 K101 Plus をレビューします・・・・
ん? なんだ、この機種?
と、思った方も多いのではないでしょうか・・・ じつはこのゲーム機、2020年の11月 NitRo Blog でレビューした「REVO K101 Plus」です。
ANBERNIC さんから、日本のファンに向けに、同ゲーム機の再アピールするので宣伝してくれ!って事で、レビューサンプルが送られてきました。
そんなわけで、まさかの2度めのレビュー記事を書くことになってしまいましたが、古い機種とは言え、個人的には結構良い商品だと思いますので、K101を知らない方の参考になればと思いますです。はいw
公式サイト・関連記事
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過去にレビューした記事はこちら
YouTube レビュー
動画レビューを公開しましたので、合わせてご確認ください。
ANBERNIC K101 Plus 概要
ANBERNIC K101 Plusは、2012年にリリースされたREVO K101 Plusと同一デバイスで、発売当時かなり注目を集めた(らしい)ゲームボーイアドバンスの互換機で、GBA のゲームカートリッジが一部のタイトルを除き、ほぼ実機同様に動作が可能なんです。
公式のGBAゲームカートリッジをサポートはもちろんですが、海賊版GBAカートリッジや、付属している K-CARDカートリッジ(SDカードアダプター)を利用すれば、吸い出したROMイメージの読み込みも可能で、さらに FC PCE などをエミュレーションする事もできます。
また、GBAリンクケーブルを使って K101 Plus同士を接続する事により、実機と同様にマルチプレイヤー機能の利用が可能、もちろんオリジナルのGBAとの接続OKです。
ちなみに、ANBERNIC K101 Plus は、ファミコンコントローラー風デザイン&カラーのみが販売されているようで、白や青などのカラーラインナップは用意されていないみたいですね。
SPEC
項 目 | ANBERNIC K101 Plus |
---|---|
リリース | 2012年(初期モデル) 2020年(FCカラーを追加) |
OS | K101 専用 OS |
スクリーン | 3インチ TFT |
解像度 | 320X480 (4:3) |
CPU | ARM7 & ARM9 Dual Core |
Clock Speed | 16.67 MHz |
GPU | Dedicated GPU (60 fps) |
メモリ | 50 MHz DRAM |
ストレージ | Micro SD |
バッテリー | 890 mAh (BL-5B) |
操作ボタン | 十字キー・ABXY,L1, R1,START・SELECT |
他ボタン | ホットキー・電源ボタン・音量調整ダイヤル |
ポート | Mini USB / イヤフォン端子 / GBA Link |
スピーカー | モノラル |
サイズ | 144 mm x 64 mm x 19 mm |
重量 | 144g(実測) |
スペックは、過去にレビューした K101 Plus とまったく同一で、再販?にあたりプロセッサーや外観デザインなどの仕様変更はおこなっていません。
リリースが10年前とかなり古い機種なので、性能が非力であるのは間違いありません、なにせ充電ポートが最近では滅多に見ることがなくなった『Mini USB』ポートです。
まぁ、ハンドヘルドゲーム機が好きな人なら PSP を2~3台は所有していると思いますので、おそらくMini USB ケーブルなんてたくさん持っているのではないですかね?
ちなみに僕は PSP 3台を所有していますw
パッケージと同梱物
外箱
外箱は黒を基調に、白色でロゴやイラストが印刷されていて至ってシンプル、見た目はそれほど悪くはありません。ロゴは「REVO」と記載がありますが「ANBERNIC」とはどこにも記載されていませんので、デザインの変更はしていないですね。
付属品
本体以外に、バッテリー蓋を外すための「プラスドライバー」、充電用の「USB-Cケーブル」と「ACアダプター」最近では見かけなくなった「コンポジットAVケーブル」、「ガラスフィルム」(クリーナー付属)そして「ユーザーズマニュアル」の6点が付属品です。
専用のACアダプターが付属しているのは意外と珍しいかも、マニュアルは英語と中国語のみ表記ですが、かなり詳しく使い方が記載されています。
ガラスフィルム貼り付け推奨
付属している保護フィルムは厚みがあるガラス製で、スクリーンに貼り付けるとシェルとスクリーンの段差が減るので見栄えが良くなります、スクリーンは傷が付きやすいので、開封後すぐに貼り付ける方が良いと思います。
本体デザイン・質感
デザインと質感
ANBERNIC K101 Plus は、画像の通りFCコントローラーを模していて、フェース部に金属プレートを採用、ぱっと見は本物のFCコントローラーと見間違える程です。
手で持つとチープさは多少感じてしまいますが、赤・黒・金の色味が絶妙で、部品の組み合わせ精度も悪くありません、最新機種に比べると多少の古臭さは感じますが、ストラップホールや、ケース四隅の面取りなど、設計時のこだわりが伝わる出来です。
背面は銘板シールに、手のイラストロゴ、バッテリー蓋がネジ止めされているので取り外しは面倒ですが、BL-5Bサイズバッテリーなので、入手性が高いのが良い点です。
ちなみに、ネジを外しても蓋を取るのに悪戦苦闘します・・・ 下手にこじると傷つけそうで吸盤が必須みたいな感じです。
本体下部にはカートリッジスロットがあり、付属している K-CARD を抜いてGBAカートリッジを刺せばそのままゲームプレイが可能です。
古くからの中華ゲーム機マニアの方には、5年ほど前に人気となった機種「RS97」をご存知の方が多いと思いますが、K101 Plus のシェルデザイン は RS97 の原型になっていて、造形はまったく一緒です。しかし、K101 Plus の方が組み込み精度やボタンの押し心地など全体的なクオリティーは高くなっています。
操作ボタン
K101 Plus の操作ボタンは、ABXY・十字キー・START・SELECT がフェース部、ショルダーにLRボタン、本体上部中央にホットキースイッチの構成です。
また、右側面にはロータリータイプの音量ボタン、左側面に電源ボタンが配置されています。
ゲームプレイ時の操作性や押し心地は、最上級とまでは言いませんが、感触、配置、大きさ、適度な重さのあるクリック感が非常に良いです、僕の所有するチープ機種の中では一番と言っても良いぐらいなので、殆どの方は不満に感じる事は無いと思います。
ボリューム調整も親指の腹で微調整が出来るので快適、ホットキーも理想的な位置です、RG503 もこの位置にして欲しかったなぁ~
ちなみに同デザインの RS97 の操作ボタンはスカスカ、十字キーは斜め入力が難しいみたいな感じで、本当に糞でした・・・ 棚の奥にしまってありますけど。。
3.0インチTFT液晶
K101 Plus のスクリーンは 3.0インチ TFT液晶で、正面から見る表示は綺麗なんですが、視野角が狭く、下から見ると暗く、上から見ると白く表示が変化します。輝度は8段階調整が可能ですが、最大輝度にしても太陽光の下では多少厳しいかな?といった印象があります。
とは言え、ゲームで遊ぶ際は正面から見るでしょうし、直射日光の下ではあまり使用する事がないでしょうから、実用上の問題はないのではないかと思います。
僕はゲームボーイアドバンスを所有していないので比較はできませんが、オリジナルGBAのスクリーンサイズは2.9インチとほぼ同等サイズなので、表示自体にはそれほど違和感はないと思います。
ただ画面比率が異なっているので、表示に滲みを感じたり、フォーカスなどはオリジナルとまったく同じ画質とは言えないみたい・・・ とはいえ、劣化した液晶よりは遥かに綺麗でしょうし、IPS改造したGBAと比較しなければ K101 Plus は安価な代替機として優秀なんじゃないかとは思います。
スピーカー音質
フェース部ABXYボタン下部にモノラルスピーカーがあり、僕が操作した限りはゲームプレイ中に指が干渉するような事は起きません、モノラルスピーカーですが最大音量は十分ですし、ゲームの音質であれば問題なしって感じです。
オリジナルのGBAも同じ箇所に内蔵モノラルスピーカーですし、イヤフォン使用時はステレオで楽しめるので、高音質でゲームを楽しみたいならイヤフォンを使う感じが良いと思います。
設定・性能関連
操作方法
本体左側にある電源ボタンを長押しして電源を投入します、ゲームカートリッジを刺しておけばカートリッジのゲームが起動、使い勝手はオリジナルGBAと同じです。
付属のK-CARDカートリッジ(OSが書き込まれたSDカードが必要)を挿して電源を投入すると、専用OSが起動します、SDカード内に保存したROMデータがあれば、ゲームを選択してプレイする事ができます。
専用OS
専用OSはシンプルなUIなので分かりやすいです、初心者でも直感的に操作はできると思います。
まずは初回起動時に、LRボタンを使用して上部のメニューからOPTIONを選択『Language』からメニューを日本語に変更しましょう。
次にヘルプ項目を確認して、ホットキーを利用した設定方法を表示、基本的な操作方法を覚えておく事をお勧めします。ここでは、サポートするエミュレータファイルの確認もできます。
輝度調整・連射設定・チート・セーブ・スリープ・メニューに戻るなどの、ホットキーと他ボタンの組み合わせを覚えれば、K101 Plus が快適に利用できるようになります。もちろん、忘れたとしても、ヘルプ項目でいつでも確認が可能です。
シンプルですが、最低限の設定ができるし、分かり易くて良いです。
難点としては大量のROMを保存したり、ゲームのサムネイル表示にすると、基本性能の低さからか、メニュー操作の際に動きが重くなってしまいます。これは多少ストレスに感じるかもしれません。
ちなみに、ファームウェア・TOOLS・各種アプリケーションなど、豊富に用意されたデータを以下のサイトから入手可能です・・・ 一応ダウンロードは自己責任でお願いいたします。
エミュレーション
GBAのカートリッジ・GBA ROMから起動した際の再現性はほぼ問題はなさそうです。少なくとも僕が持っているGBAカートリッジは問題なく動作しています。
エミュレーション可能なコンソールは GBC・GB・SGB・NES・PCE・GG となっています。
GBA以外の再現性ですが、僕がテストした限りNESぐらいであれば動作が可能かな?といったレベルで、PCEでは音割れや遅延などが起きています・・・ むしろNESであっても音割れなどが起きるので厳しい性能と言わざる負えません。
最新のエミュレータ機と比較してしまうと、K101 Plus は性能自体が圧倒的に低いので、レトロコンソール・エミュレータで遊びたいというニーズであればお勧めできない機種です。
K101 Plus はGBA専用と割り切り、エミュレータはおまけ程度と考えておく方が良いです、だけどGBAであればストレスなく実機同様に遊べるので、持っているGBAゲームカートリッジ活用が目的であれば良い選択になると思います。
まとめ
ANBERNIC K101 Plus は、2012年リリース、発売から10年が経った今でも現役で販売されているほど息の長いモデルです・・・ 性能的には最新モデルと比べ物にならないほど低性能ではありますが、デザインやGBA互換機という機能的な魅力の輝きは失っておらず、ニッチな市場ニーズの中で現存しています。
ゲームボーイアドバンスの本体が壊れて、ゲームカートリッジがあるのにゲームができない!なんて方は、思い出再生マシーンになるでしょう。
中華ゲーム機をたくさん集めてしまっている変態さんで、まだ所有していないのであれば、コレクションの一台として購入しても満足度の高い一台になるのではないかと思います。
あくまでも「GBAクローン」として利用するゲーム機です・・・ くれぐれもエミュレータ性能に期待してはいけませんよ!
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