ニトロです。
ANBERNICからリリースされた新機種RG351Vですが、この土日にじっくりと弄くってみました。僕的にはかなり気に入っております。いくつかの細かい記事を書きましたが、本記事で総合レビューしたいと思います。
今回は、RG351M『351ELEC Ver2.0』の新規導入作業を進めたので、いろいろ比較確認した事もあり、RG351Vの良さがより理解できたと思います。
結論を先に書くと・・・ PCスペックデバイスを除外すれば、レトロゲームコンソール・エミュレータ機として現時点では最良機種と言えます。
迷わず木目を選ぼう!
RG351Vは、RK2020以降に数多くリリースされた『RK3326』デバイスであり、CPU・メモリなどの性能面はまったく同一です、本機のアイデンティティは『木目カラー』『VGA(640×480)解像度』『アスペクト比 4:3』『デュアルストレージスロット』ではないかと思います。
とくに解像度向上を待ち望んでいたユーザーには嬉しい性能アップですし、デュアルスロット対応はRG350シリーズでは当たり前だった機能ですが、RK3326デバイスとしては初実装となりました。
そして、木目印刷は奇をてらうアプローチと最初は思いましたが、実物を確認してみると思っていたより・・・ と言うか、むしろかなり良い仕上がりです。
本機を購入される方は騙されたと思って『木目』を選んでいただきたい。RG351Vのアイデンティティは木目カラーです。
添付品はこんな感じ
RG351Vに添付される物は以下の通りです・・・
実は、僕が受け取ったサンプル品には取扱説明書が入っていませんでした・・・ パッケージ作業時の単純ミスと思います。僕は取扱説明書が無くても困る事はありませんが、レビュー記事作成には多少難ありですw
取説ないやないかーい! 保護ガラス付き
ちなみに販売店によっては、TF2用のSDカードが付属するバージョンがあり、価格も微妙に異なりますので購入時にはしっかり確認をお薦めいたします。
EmuELECベースのカスタムOS
EmuELEC 3.8ベースのカスタムOS
RG351VのTF1スロットには、OS用の16GB・SDカードが挿入されており、導入されていたベースOSはEmuelecで、RG351Vのメニューからバージョンを確認すると『3.8』という表記でした。
起動時に『ANBERNIC』ロゴ、その後に『EmuELEC』ロゴ、この時に通常バージョンであれば、『Not For Sale』と上部に表示されますが、本機では表示しません。
ベースシステムはEmuELEC 3.8ですが、ANBERNICにカスタマイズされた本機専用OSのようです、ANBERNIC RG351(P・M)とは互換性がないので注意が必要です。
デュアルストレージ(SDカード)対応
このEmuELEC 3.8ベースのカスタムOS、特徴はデュアルSDカードスロットに対応している事にあり、TF1スロット1枚刺しの場合は従来と同じように利用が可能、TF2にSDカードが挿入されていると、Windowsのシンボリックリンクのように、TF1『GAMES』フォルダアクセス時にTF2のルートディレクトリを読み書きする仕様になっています。
運用的にはメリットが大きい
RG351Vの特徴となっているデュアルスロットは、『OS』と『データ』を分けて運用できる事にあります。従来はOSのメジャーアップデートや、トラブルが起きた際など、新規OS構築時にゲームデータも一緒に削除する必要があったわけだけど・・・
本機の場合はOSに問題が起きてもゲームデータには影響がでない、OSの新規構築時には、作成したSDカードがそのまま再利用できるなど、非常に便利でメリットとなります。
256GB SDカードは利用できない?
僕が試した限り、下部SDカードスロット(TF2/EXT)は、256GBのMicro SDカードを認識しませんでした、合計のストレージ容量で256GBまで利用可能ってことかな? おそらく下部スロットは事実上128GBのMicro SDカードが上限になるかもです。
ゲームデータの取扱いがしやすくなった反面、SDカードのデュアル運用時には、256GBのSDカードが利用できないとしたら少し不便です。 もしかしたら利用する方法があるのかもしれませんが・・・
検証不足かもしれないので、もし使えた方がいたらコメントなどで教えて下さい。
デザインと操作性
木目シェル
まず木目プリントされた外装について触れておきますが、本物の木を使ってるのかと勘違いするほど質感が良く、手に持って木目をなぞるとかすかな凹凸もありとてもリアルですよ。
木のぬくもり(プラスティック) 曲面を多用した成形品質
既に木目カラーのRG351Vを入手した方には分かると思いますが、両手でホールドした際に不思議と暖かさを感じてしまうほどで、超絶にお勧めしたい逸品と思います。
各部外観
最近多くリリースされているストレート型で、いわゆるGAMEBOYオマージュと言えるデザインです。
LEDが少し邪魔 L2/R2が突き出している
フロントフェース下部に『ゲーム操作ボタンと左アナログスティック』、背面には『L1/L2・R1/R2』ショルダーボタン、右アナログボタンが無いのはRG351P/Mからスペックダウンだが形状的に仕方がないかな?
右側面に上から『電源ボタン』『リセットボタン』『TF1・TF2スロット』、左側面には上部に『音量ボタン』本体下部には『USB-C☓2(左側充電ポート)』『イヤフォンジャック』が配置されています。
左側面は音量ボタン 右側面は電源・リセット・SDスロット USB-Cポート&イヤフォンジャック
ボタン部品はすべて黒の樹脂製ですが、木目シェルにはバランスが良好で、全体的に成形品質が高く雑な感じはまったくないです。
あえて難点を挙げるとすれば、リセットボタンが小さくて指の腹では押せないです、爪先で押し込む必要があるので操作性が多少悪いですね。それとフェースの中央で光るLEDが木目に合わないので若干目障りな印象です、いずれにしても欠点と言えるほどでもないですが。
サイズ感
RG351Vはハンドヘルド機としては少し大柄な筐体(94mm x 140mm x 27mm) ANBERNIC『RG351M』『RG350P』と比較すると一回り大きく、ジーンズのポケットに突っ込んで持ち歩くサイズではないです。
左から、351M 350P 351V
本体スクリーン部の厚みは11mmほどで薄いですが、ショルダーボタン部のもっとも出っ張っている部分は27mmの厚さがあり、凹凸があるデザインなので傷つきやすいかも? 外に持ち出すなら鞄とインナーバッグは必要かもしれないです。
RGファミリーの中でひときわ大きい
本体サイズはネガティブに感じるかもしれないですが、結果的に縦型筐体にしては持ちやすいため家の中で気軽にゲームができると考えれば悪くないサイズ感と言えます、デスクに置いておくだけでも映えるデバイスですよ。
操作性
ANBERNIC製のゲームデバイスは全般的にボタンのクリック感が少し固め、RG351Vのボタンも同様、ショルダーボタンを押し込む際に『カチカチ』と音がするのも同じです。
ゲームの操作性は良好、格闘ゲームのコマンドも入力しやすいし、アナログスティックも上質なのでゲーム操作における不満はあまり出ないと思います。
ただ、GAMEBOYデザイン・縦型なので、両手で持ってゲームすると若干窮屈な感じになり、横型デバイスと比べるとホールド性は劣るかなと思います。とはいえ感じ方には個人差もあるし、慣れるとは思います。
スクリーンと音質
液晶品質
4:3の自然な表示に滑らかなフォント
お馴染みの3.5インチ・IPSスクリーンですが、輝度・色味、特に視野角はめちゃくちゃ良い感じで、表示部はスクリーンのギリギリに配置されていて浮き上がるような表示が美しいです。
1万円程度で購入できるデバイスにこれ以上を望むのは贅沢ですね。
適切な解像度とアスペクト比
解像度640X480は、RG350Mが実装して人気になりましたが、このモデルを僕は所有していなかったので初体験でした・・・ で、当たり前かもしれないけど従来機の320X480と比べ圧倒的に表示は綺麗です。
EmuELECメニュー表示・・・ というか起動時のロゴや起動メッセージの時点で、まるで精細さが違う、フォントのエッジが滑らかで見た目にも気持ちが良いですね。
表示が浮き出るような美しさ
スクリーンサイズは3.5インチ、アスペクト比が4:3、従来機より横幅が少し狭い代わりに上下の表示領域は少し広い、今までのRK3320デバイスではワイドスクリーンの中央に4:3比率で狭く表示していました。そして余った左右のスペースにはベゼルを表示していました。
RG351VでエミュレートするゲームコンソールはPSPを除き、ほぼ?4:3のゲームなので、適切なアスペクト比と高い解像度により、従来機に比べ精細で綺麗、より大きく表示できるのは本機のメリットになります。
ただし、PSPの場合は16:9が標準なので、RG351Vのスクリーン表示は左右が圧縮されて違和感が出ます、設定で上下の表示領域を狭めると従来機より表示が狭くなるデメリットになります。
音質はまぁまぁ
兄弟機の RG351P・M ではステレオスピーカーだったが、RG351Vはモノラルにスペックがダウン・・・ クリアーとは言えないですが悪くはない音質で、音量も十分に出ますね、レトロゲームであれば不満はあまりないでしょう。
イヤフォン使うのが一番です
いずれにしてもステレオ高音質で聴きたいならイヤフォンを使う方が良いです。
まとめと評価
RK3326デバイスを数多く確認してきたので、さすがにスペックが同じだと飽きてしまうのが本音ですがw RG351Vは木目カラーや解像度、デュアルストレージなど、変化がかなりあったので楽しめる製品です。
RK2020・RGB10・RG351P/Mなどを所有している方は、無理して購入する必要はないと思いますが、映像品質を上げたいと思うなら悪くない選択と思います。
ただ、横型デザインで右アナログを搭載したモデル、つまり『RG350M』筐体でRG351Vのスペックモデルを次機種として出すのではないかな? などと思ってしまったりもします。
とにかく、デザイン、質感、性能、機能、総合的に高いレベルにあるデバイスと思いますので、購入しても不満がでない一台です。
評価は星4.5の最高点です。
ユーザー投稿
351vもうすぐ届くのですがsd256を認識しないとは…危うく買ってしまうところでした。有益な情報ありがとうございます。
あくまでも僕の持っているSDカードが認識しなかっただけでちょっと検証不足かもです・・・ ただRG351Mで同じSDカードが普通に使えているのでメディアの不良ではないですね。
前にフォーラムで説明したとおりシンボリックではなく、 TF1のGAMEをアンマウントしての /storage/romsへの TF2のマウントです。
内部のマウントするshell scriptを見ると、ボリュームキーで強制的に変更できるように見えますね。
フォーマット指定はvfatになっているので、この辺も変更すれば容量の壁も変わるかもしれません。
cat rg351_gpio.sh
#!/bin/bash
. /etc/profile
if [ ! -d “/sys/class/gpio/gpio64” ]; then
echo 64 > /sys/class/gpio/export
fi
if [ ! -d “/sys/class/gpio/gpio65” ]; then
echo 65 > /sys/class/gpio/export
fi
Keyvolup_down=0
Keyvoldown_down=0
Sdcard_in=0
Sdcard_out=0
while(true)
do
GPIO64=$(cat /sys/class/gpio/gpio64/value)
GPIO65=$(cat /sys/class/gpio/gpio65/value)
[[ “$GPIO64” == “0” ]] && Keyvolup_down=1
[[ “$GPIO64” == “1” ]] && [[ “$Keyvolup_down” == “1” ]] && /emuelec/scripts/odroidgoa_utils.sh vol + && Keyvolup_down=0
[[ “$GPIO65” == “0” ]] && Keyvoldown_down=1
[[ “$GPIO65” == “1” ]] && [[ “$Keyvoldown_down” == “1” ]] && /emuelec/scripts/odroidgoa_utils.sh vol – && Keyvoldown_down=0
[[ ! -b “/dev/mmcblk1p1” ]] && Sdcard_in=1
#[[ -b “/dev/mmcblk1p1” ]] && [[ “$Sdcard_in” == “1” ]] && umount /var/media/GAMES
#[[ -b “/dev/mmcblk1p1” ]] && [[ “$Sdcard_in” == “1” ]] && umount /storage/roms
#[[ -b “/dev/mmcblk1p1” ]] && [[ “$Sdcard_in” == “1” ]] && umount /dev/mmcblk1p1
#[[ -b “/dev/mmcblk1p1” ]] && [[ “$Sdcard_in” == “1” ]] && mount -o umask=000 -t vfat /dev/mmcblk1p1 /storage/roms && Sdcard_in=0
if [[ -b “/dev/mmcblk1p1” ]] && [[ “$Sdcard_in” == “1” ]]; then
umount /var/media/GAMES
umount /storage/roms
umount /dev/mmcblk1p1
mount -o umask=000 -t vfat /dev/mmcblk1p1 /storage/roms
systemctl restart emustation
Sdcard_in=0
Sdcard_out=1
fi
if [[ ! -b “/dev/mmcblk1p1” ]] && [[ “$Sdcard_out” == “1” ]]; then
umount /var/media/GAMES
umount /storage/roms
mount -o umask=000 -t vfat /dev/mmcblk0p3 /storage/roms
systemctl restart emustation
Sdcard_out=0
fi
done
256GBの限界突破を検証してくださいw 僕にはちんぷんかんぷんですよ^^;
こちら256GBのSDCARDが手元になく未開封の512GBがあるんですが、、、
今回のこのFiramwareがあまり最適化されていなくて351P/Mのcfwと比べると稼働速度等でかなり見劣りすると思います。なので、このfirmで一生懸命解析するのは無駄ではないかなぁと思っています。
多分内部的には上記script 等を既存のP/M用cfwに移植して、デバイス名を適時置換して実装すれば動くのでないかなぁと思ったりしますが、その他モニターサイズの変更やらLR2なんやら解析して探すよりcfw作成者の手元に届いてからリリース待った方が良いかなぁと・・・
OS側での対応未対応はある程度確認できるかと思いますが、殻割りしてSDCARDのコントローラーチップを確認するのが早いので、それらを探した方が良いかもしれませんよ。
たしかに既存のファームウェアはもっさり感がありますね、専用CFWがリリースされるのを待つのは良いかもですね!
あと、出荷時期によって初期ファームがいくつか存在するようなので、それは確認したほうが良いかもしれません。こちらあえての中華版を選択したので、中華版のファームを前提として話をしますが
こちらが淘宝で見た感じ 3/10版と3/12版というのが存在するようです。
なので、今現在でそれ以前の物と2つの修正された物が存在していそうです。
見ているページが中国語で、画像化されているので詳細は割愛しますが、TF2のマウント周りの修正や初期でサポートされていなかったエミュレータの追加、消費電力周り、bugfix等々
ときどきサイト拝見して参考にして試行錯誤しています。
あたしの351VはTF1に128g、TF2に256g挿しておりますが認識しています。AmazonのWhatsko出品の物を購入しました。microsdはsandiskの物です。
情報いただきありがとうございます、256GBの余りがないので試せないですが、FWのバージョンによって対応しているのかもしれないですね。
記事も補足しておきますね